私は、ここ25年くらいは、人にものを教える仕事をしてご飯を食べてきたので、将来有用の材となる人物というものについては、およその見当がつく。

私の考える、その資質とは、概ね以下のようなものである。

1.学ぶ姿勢において貪欲であること。

これはテストに出ないからやらない、とか、とりあえず今はいいや、と言って放っておかず、自分の納得するまで、同じ問題に係っているというような姿勢を持った人である。

2.人に対して謙虚かつ素直であること。

人の忠告や助言を謙虚にかつ素直に聴く耳を持っていることである。忠告や助言に対して逆に批判したりする者はダメである。自分の無知をさらけ出す勇気のある者でなければならない。身の程を知っていると言ってもよいであろう。

3.結果に対して、きちんと責任を持てること。

自分の行動の結果を他人のせいにしないことである。成果があがらない原因をきちんと自分に求められる人間であることである。

4.自分を管理できること。

計画や予定を立ててきちんとこなせる自己管理能力をもっていること。これは言うまでもない。

5.危機管理能力があること。

急激な外的変化に対応できるだけの臨機応変さがあること。これは、基本的な事柄がしっかり出来た上での応用力のようなものである。ということは、これは訓練できるものである。逆に言えばそのための訓練をきちんとやっているかということになる。

6.感情的に安定していること。

少しのことで不機嫌になったり、逆に有頂天になったりせず、他人に対して自己の感情を押し付けるような接し方をしない人である。これができないと人望を得ることは難しい。

7.理想主義者であること

最後に挙げたいのは、大きな夢やビジョンを持っていることである。
収入がいくらとか、社会的地位がどうのとかいった下卑たことではない。

昔、アメリカの国籍を持ち、日本で育ち日本の大学へ進学し、アメリカの大学院を出て、中国に留学した方がいた。その方は、「日本、アメリカ、中国の架け橋になりたい」と、常におっしゃっていた。
今、英語、中国語、日本語の能力とマーケティングや経済学の専門知識を活かして、国連の専門機関で働いていらっしゃる。
まさに、その方は、理想を実現させ、さらによりよき架け橋となるように日々頑張っていらっしゃる。

以上のようなことである。

このような資質を養えば、おそらく社会のどの分野においても、またどのような立場でも、有用の材として働いていけるであろう。