今日は、グラフ問題というよりも歴史問題と言っていい問題です。歴史問題ですから、知識が必要です。まず、2014年の12問です。選択肢を1番から見てみましょう。

 

1番は、Aの時期つまり1973年ごろのことを訊いています。1973年は第1次オイルショックがあった年です。この年の日本経済は、原油価格が4倍になり狂乱物価と言われる物価高になりました。政府は総需要抑制政策をとり、景気は急激に衰えていき、翌年の1974年は戦後初のマイナス成長を記録しました。この結果、不景気下での物価上昇を意味するスタグフレーションが発生しました。
1番の記述には、「土地や株が暴落したことにより不良債権を抱えた金融機関が相次いで破たんした」とあります。これは、バブル崩壊の時の日本経済の様子ですから、Cの時期、つまり1992年ごろの時の様子です。ですから答になりません。

次に2番の記述を見てみましょう。Bの時期の記述です。Bの時期は1985年から翌86年ごろです。この頃の日本経済は、1985年のプラザ合意による円高ドル安で、国内産業は輸出を中心に打撃を受けました。「円高不況」と呼ばれました。これは、Bの記述と一致します。したがって正しいのは、2番です。

いちおう3番と4番も見てみます。3番は、Cの時期、つまりバブル崩壊の時の1992年ごろの記述ではありませんね。3番の記述は、次の4番のDの時、つまり、2008年のリーマンショックの時の記述です。サブプライムローンの破たんから始まった世界的な大恐慌で、1929年の世界恐慌に匹敵すると言われました。3番は答ではありませんね。

4番は、すでに述べたAの時期の記述になっていますから当然答えではありません。

以上から、正解は2番です。

 

 

もう一問やりましょう。2014年の第6問です。

 

今度は、国際収支の問題です。これも、ある程度知識が必要です。貿易収支、サービス収支は、それぞれ、商品の輸出入の収支、サービスの対外支払いと受け取りの収支です。所得収支は、投資された資本から得た配当や利子の収支です。また、経常移転収支は、国際援助などの無償でやり取りされるお金などの収支です。

グラフを見ると、Aの折れ線グラフが、2010年から2011年にかけてガクンと落ち込んで赤字になっていますね。これは東日本大震災による影響だと見て取れます。このAのグラフは輸出入の収支である貿易収支です。

また、サービス収支や、移転収支は、先進国は通常赤字になります。サービス収支は、保険、輸送など安い海外の企業を利用するのが通常だからです。また、移転収支もODAなど、先進国から発展途上国に資金援助をすることの方が多くなりますので、赤字になります。
とすると、赤字を示している、CかDが、サービス収支、移転収支のどちらかです。おそらく、移転収支は、サービス収支より額が小さいでしょうから、Cが移転収支で、Dがサービス収支ですね。

ということは、所得収支は、Bになるので、正解は2番です。

 

《今日のまとめ》

1.グラフが出ていても、本質は歴史の問題や別のテーマにあるということもある。

2.戦後の日本経済史や世界経済史は、頻出分野なので、時系列を追って整理しておこう。

3.先進国の国際収支のパターンをおさえておこう。

サービス収支、経常移転収支、資本収支は基本的に赤字、所得収支は黒字が典型パターン

日本は、長い間、貿易収支も黒字だったが、2011年の東日本大震災以降赤字が続いている