今回は、需要供給曲線の図表問題の解き方です。苦手意識を持っていますか。でも大丈夫です。みんなそうですからね。

 

 
2014年の第21問です。縦の軸は、価格(Price)を、横の軸は、取引数量、つまり売買される商品の数を表しています。基本的には、買い手としては、価格が安ければ安いほど買いたくなりますよね。ですから、買い手の曲線、需要曲線は、右下がりです。また、売り手としては、価格が高ければ高いほど売りたくなります。ですから、売り手の供給曲線は右上がりです。

これら2つの曲線(問題では直線で示されることが多い)の交わっているところが、売り手と買い手がちょうどピッタリ同じだけいて、売れ残りもないところです。その時の価格を均衡価格とか市場価格といいますよね。

さて、本問ですが、「価格がPのときに、X2ーX1の値が大きくなるのは、下のどれですか?」という問題です。ということは、X2の値がより大きく、X1の値がより小さくなる場合を考えればいいのです。同じ価格Pで、X2やX1の値が大きくなったり小さくなったりするのは、需要曲線や供給曲線が右や左にスライドする場合です。

これをもとに、選択肢をそれぞれ検討してみましょう。

まず、1番の国際価格の上昇ですが、価格が上がるということは、図のPから始まっている横の点線が上にあがっていくことを意味します。ということは、X2ーX1の値は小さくなってしまいます。ですから答えになりません。

次に、2番の国民所得の増大は、需要曲線が右にスライドしていくことを意味します。何故かと言うと、給料が上がったら、ちょっとは贅沢したくなるでしょう?例えば、いままで100グラム200円のお肉を食べていたら、たまには、100グラム300円のお肉を買ってもいいかな、なんて考えるはずです。供給曲線とPから出ている点線との交点であるX1の値は変わりませんが、需要曲線が右に平行移動していくので、Pから出ている点線との交点であるX2の値は大きくなります。そうすると、X2ーX1の値も大きくなります。正解は2番です。

いちおう3番と4番も検討します。まず、3番の国内産業の技術が進歩すれば、国内産の同じ商品が安く作れるようになります。とすると、高い輸入物をわざわざ買わなくても良くなるので、需要曲線は左にスライドします。そうすると、X1の値は変わらないまま、X2の値だけ小さくなり、X2-X1の値も小さくなります。よって答にはなりません。

また、4番は、関税の引き上げによって、輸入品は高くなりますから、1番と同じで、Pから始まる点線が上にあがってしまうので、X2-X1の値も小さくなり、答えになりません。

もう1問やってみましょう、2013年の第27問です。

 

市場で取引される財によって事故が発生したとき、『企業(加害者)に過失が認められた場合、企業に被害の賠償を義務づける』というルールが確立されている社会」で、「企業(加害者)の過失の有無にかかわらず、企業に被害の賠償を義務づける」というルールに政府が変更した場合、どうなるか、という問題です。

ここでは、「需要曲線には影響を与えない」と問題文に書いてあるので、供給曲線だけを考えればいいですね。そうすると、過失の有無にかかわらず、商品から生じた被害の賠償を企業がしなければならないのですから、商品にかかるコストつまり費用が増加します。したがって、1番か3番に答は絞れます。

では、1番と3番のどちらでしょうか?商品の費用が増加すると、供給曲線はどうなるのでしょうか?費用が増加するということは、その分のお金を商品の価格に上乗せしなければならなくなることを意味しています。ということは、供給曲線は、価格が高くなる方、つまり、左上にシフトします。したがって、答は3番です。

 

今日のまとめ

1.需要供給曲線の基本的なしくみをまず知ろう。これが基礎になって問題がつくられている。

2.需要供給曲線だけで問題が解けるわけではない。問題ごとの具体的な事情を考えるべし。

3.需要側の問題か供給側の問題かをまず区別する。次に価格や取引量の変化によってグラフがどちらに動くかよく考えて答を出すこと。