今回は、選挙の問題です。まず、2013年の第18問です。

今回の問題は、グラフからある程度ヒントが得られるので、グラフを見ながら、各選択肢を検討していきましょう。

まず、選択肢の1番ですが、「一票の価値の格差は参議院議員選挙よりも衆議院議員選挙の方が大きい」ということが書かれています。これは本当でしょうか?
グラフを見ると、参議院議員選挙の方が、衆議院議員選挙よりも、一票の価値の格差が大きいことがわかりますね。ですから、1番の選択肢は間違っています

次に2番の選択肢を見てみます。「衆議院議員選挙について、参議院議員選挙の場合と同様に、格差が3倍以上の場合に、違憲状態だとしている」としています。これは正しいでしょうか?

まず、参議院議員選挙で、違憲判決が出ているのは、92年の6.59倍の時だけですね。3倍をはるかに超えている他の年の選挙の時に違憲状態という判断は出ていません。

これに対して衆議院議員選挙の場合は、グラフを見ると、72年の4.99倍と、80年の3.94倍、83年の4.40倍、90年の3.18倍の4回違憲判決が出ていますが、参議院の場合よりも格差の倍率がはるかに低くても概ね3倍を超えると違憲状態だと判断されています。したがって、「参議院議員選挙の場合と同様に」というところが違うので、2番の選択肢も間違っています

次は3番の選択肢です。3番の選択肢を考えるには、少し知識が必要です。「小選挙区比例代表並立制」が導入されたのは、1994年細川内閣の時に公職選挙法が改正されてからです。そうすると、90年代の半ばになりますね。

3番の選択肢は、「衆議院議員選挙において、小選挙区比例代表並立制が導入される前よりも、導入された後の方が、格差が是正された」と言っています。これは本当でしょうか?グラフを見ると、導入前の93年の格差は、2.82倍で、導入後の最も大きい格差でも2000年の2.47倍ですから、確かに導入後の方が格差が小さくなっています3番が正解ですね。

4番の選択肢も見てみましょう。「参議院議員選挙において、選挙区が都道府県単位から全国11ブロックに変更された」とあります。これは明らかな間違いです。参議院議員選挙の場合は、選挙区は都道府県単位です。全国11ブロックに分けるのは、衆議院議員選挙の比例代表区です。よって4番は間違いです。

以上から正解は3番です。

もう1問やりましょう。2014年の28問です。

AとBのグラフは、参議院議員選挙と衆議院議員選挙の投票率を表しているもので、どちらがどちらなのかはまだ判りません。

でも、先に、どちらがどちらかを決めちゃいましょう!そんなことできるんですかって?できるんです!

まず、一番最近の国政選挙は2013年の参議院議員選挙ですよね。参議院は解散がないですから、きっちり3年ごとに選挙が行われます。ですから、3年ごとに選挙が行われているAが参議院議員選挙の投票率を表しているグラフで、Bが衆議院議員選挙の投票率を表しているグラフです。

そうすると、正解は、2番か3番ということになりますね。では、2番と3番を見ましょう。

まず、2番の選択肢ですが、「最も衆議院議員選挙の投票率が低い選挙の直後に民主党を中心とする政権が誕生した」とあります。本当でしょうか?
Bの中で最も低い投票率は96年です。民主党を中心とした政権が誕生したのは、2009年ですから、これは間違っていますね。2番は間違っています

では、3番の選択肢を見てみましょう。3番は、「消費税が導入された年に行われた選挙の投票率がAの中では最も高い」と言っています。Aの中で最も投票率が高いのは、1989年ですね。そのとおりです。この1989年の竹下内閣の時に消費税が導入され、この年の参議院議員選挙では、選挙に関心が高まり、投票率が上がって、社会党を中心とした勢力が自民党を上回って、「保革逆転」と言われました。したがって、3番は合っています。

以上から、正解は3番です。

 

<今日のまとめ>

1.グラフから推測できることも多い。まずグラフをよく見よう。

2.選挙の投票率や一票の格差の推移の問題は、消費税導入、税率アップ、選挙制度の改革や政局の変化などの事項と共に出題されるが、知識があれば比較的簡単に正解が出る。重要な事項や出来事は、いつ起きたのかを年表で確認しておこう。

3.グラフを特定する問題は、その制度やきまりからくる規則性をよく考えると答が出ることが多い。