動画で政経の第4弾、権力分立についてです。権力分立は、基本のところで、大きく差がつくところです。
すなわち、国家権力の濫用を防ぐために、わざと摩擦や対立を生じさせて、
国家権力の運用の効率を悪くしているところがポイントです。
そしてその目的が人権保障にあるところもポイントです。

書き起こしも載せておきます。参考にして下さい。

移動の時間など暇な時に見てください。復習チェックも役立ててくださいね。

 権力分立とは、国家権力を複数に分け、それぞれを別々の期間に担当させることによって、抑制と均衡をはかるしくみのことです。
これは絶対王政期に、国家権力が国王一人に集中した結果、権力が濫用され、人権が侵害されたことに対する反省から生まれたものです。したがって、権力分立は、権力の濫用を防ぎ、人権を守ることが目的であり、自由主義と結びつきます。
フランス人権宣言第16条には、「権利の保障が確保されず、権力の分立が実現していない社会は、憲法を持つものではない、と規定されています。
このように、権力の分立は、近代立憲主義以来の重要な要素ですが、その形はひとつではなく、様々なタイプが存在します。
権力分立を最初に考えた啓蒙思想家は、ロックだと言われています。また、現在のような三権分立を考えたのは、モンテスキューですね。

 まず、ロックは、17世紀の終わりごろの名誉革命の時代に、国王の専制政治を止めさせるために国王の権力から、立法権を分離して議会に担当させることを考えました。国王の権力である執行権と、議会の立法権の二権分立です。また、どちらかといえば、ロックの権力分立論は、立法権優位で、抑制と均衡という概念はみられませんでした。
フランスのモンテスキューは、立法、司法、行政の三権分立を考えた最初の思想家です。現代の権力分立は、この三権分立が中心で、三権の抑制と均衡によって、国家権力の濫用を防ぎ人権保障するという点に主眼があります。
とはいえ、この三権分立も、国によって、やはり微妙な違いが見られます。
まず、国会における多数派が内閣を組織し、その存立が国会の信任に基づく議院内閣制を採用している、日本のような国においては、行政権と立法権が政権与党としてきわめて接近しており、緩やかな権力分立となっています。これに対し、行政権の首長と、立法権を持つ議会を構成する議員を別々に選挙で選ぶ大統領制を採用している、アメリカのような国においては、立法権と行政権は、はっきりと分立しており、厳格な三権分立であるといえます。

 また、権力分立の考え方、つまり、国家権力を複数に分けて別の機関に担当させ、抑制と均衡をはかることによって権力の濫用を防ぎ、人権保障をはかろうとする考え方は、三権分立だけにとどまらず、国家統治のさまざま場面で採り入れられています。例えば、国会においては、わが国では、二院制を採用して、衆議院と参議院にわけ、一院の暴走を防ぐしくみが採られています。
また行政権の内部では、国家公安委員会、公正取引委員会、中央選挙管理委員会、のような、独立行政委員会というしくみが採用されています。
これは、本来は、行政権に属すけれども、政治的中立性、専門技術性の要請が強く働く分野の仕事を、内閣からある程度独立して職権行使させることによって、行政権の濫用を防止するために設けられたものです。
さらに、裁判所による裁判では、三審制を採用することにより、司法権の行使に権力分立的な意味を持たせ、より人権保障になるよう配慮されています。
また、戦前はなかった、地方自治を採用することにより、中央政府に対し、地方公共団体を設け、中央政府による地域住民の人権侵害を防ごうとしています。