テッド、凄いことが起きたわね!
いや〜、かなり予想外でびっくりだよね。
トランプ氏が大統領選に勝つなんてね。
大方の予想では、ヒラリーさんが、勝つと思われていたもんね。
今回、どうしてトランプさんが勝ったのかな?
そうだね、まず直接の原因と考えられるのは、投票直前になってからの、ヒラリー氏のメール疑惑についてのコミーFBI長官の捜査再開宣言だろうね。
あれは、相当なインパクトがあって、国民の投票行動に大きな影響を与えたと言われている。
一部では、訴訟まで選挙妨害として訴える、という動きもあるらしい。
それにね、国民の中に、既存のエリート集団に対する不信と憎悪が渦巻いているんだ。
既存のエリート集団って何?
ウォール街の金融エリート、官僚、民主、共和両党の主流派と言われる人々、軍産複合体、例えて挙げると、こんな感じかな。
アメリカ社会を、政治的、経済的に牛耳ってきて、既得権益を持ってる一握りの人々のことだよ。
言わば、ヒラリー氏は、こういう人々の代表だったんだ。
アメリカは、こういう一部のエリートたちが国を率いて、ここまでの国にした、という一般認識みたいなものがいままではあったんだよね。
オバマ大統領は、そういうエリートに属している黒人だったから、最初は、マイノリティー集団を中心にして、ものすごく期待があったんだけど、政策は、ことごとく実行できず、さらにノーベル平和賞ももらっちゃったもんだから、対外的にも弱腰で、従来なら、アメリカ軍がすぐにやっつけてしまったであろう中東のISなんかも未だに殲滅できずにいる。
経済だけをとってみても、今のアメリカは、貧富の差が拡大し、大学に進学しようとする人は、最初から、ものすごい額のローンを組んで大学に通い、卒業後に、その莫大な額の負債の返済に追われる、っていうのが、一般的なんだって。大学行ける人はまだいいんだ。行けない人は、いつ解雇されるかわからない単純労働者になるしかなくて、それも、移民、特にヒスパニックの人々なんかに職を奪われちゃうかもしれない不安を絶えず抱えている。
これは経済のグローバル化の当然の結果であると言えなくもないんだけど、自分たちは、親の世代よりも豊かにはなれない、というのが、若者たちの共通認識なんだ。
こういうアメリカの現実を、エリートたちは、現場を見ずに、統計やレポートを見て、アメリカ経済は、拡大基調にある、なんていう捉え方しかできないから、大多数の国民、つまり、中間層以下の人々の不満のやり場がなかったんだ。
こういう大多数の国民である、中間層以下の人々は、もうエリートの口先だけの言葉や偽善にはうんざりしているんだよ。
だから、トランプ氏のような、口は悪いが、本当のことをズバズバ言ってくれる人を臨んでいたんだね。
マイケル・ムーアっていう、アメリカの映画監督がいるんだけど、この人は、あの9・11の陰謀論を展開したり、アメリカの医療業界や保険業界の闇を鋭くえぐった映画を制作していることで有名な人なんだ。
この人は、反ブッシュ、反既得権益を標榜していた人らしく、今回は、選挙運動中、トランプ支持をハッキリと表明していたんだ。
この人のスピーチの動画があるから、貼り付けとくね。
この動画は、投票前にものすごい勢いで拡散していったんだよ。
トランプ大統領になって、これからどうなるのかしら?
今日は、株や為替が、大暴落するんじゃないかって、みんな心配していたんだけど、予想に反して、株高、為替安になって、逆にびっくりだったんだ。
それほど、トランプ新大統領に対する期待が高いってことだね。
そこで、これからどうなるかを考えるんだけど、トランプ大統領になっても、とりまく人々の利害関係がある程度あるので、大きくガラッと変わるということはない、というのが一般的な見方なんだよ。
そうかあ、トランプさんになったからって、大きくガラッと変わるっていうことはないんだね。
じゃあ、どんな風になるのかなあ。
どう変わるか、を分野別に見ていこうと思う。
まずは、経済から。
☆TPPには、アメリカは参加しない
トランプ氏が、選挙運動中に言い続けてきたことで、せっかくまとまったのに、少なくとも現状のTPPには、アメリカは参加しない可能性が高いね。
☆中国やメキシコに対する懲罰的高関税を導入
不公正な貿易慣行を続ける国からの輸入品に対しては、懲罰的に35〜45%の関税をかけると言っている。
☆10年間で2500万人分の雇用を創出する
外国への雇用流出が特に製造業で多いことを指摘して、国内の雇用を増やすことを主張した。
そのために、現行の法人税35%を15%に引き下げることを提案している。
インフラ整備、減税、貿易赤字削減、規制緩和などで、雇用を生み出すとしている。
☆税制改正
減税のための税制改正を提案している。トランプ氏の提案する税制によれば、低所得層に収入増を、またトップクラスの富裕層にも、減税効果があるという。
次は、外交政策について見よう。
☆日本などに駐留する米軍の費用を、駐留先の国に支出させる
☆アメリカは世界の警察官ではない、自国の防衛は、その国がやるべきだ
☆ロシアのプーチン大統領とは、話し合う用意がある、米ロが協力することが大切だ
☆ISの掃討作戦にはもっと熱を入れるべきだ
こんな風な、トランプ氏の発言は、思いつきとも取れるレベルの内容であり、事実誤認も多い。
次に、移民政策を見てみよう。
☆移民政策
移民政策を大幅に見直し、合法移民も削減、不法移民の強制送還の猶予も短縮する、としている。
イスラム教徒の入国制限も掲げている。
☆難民の受け入れ制限
シリア難民などの受け入れは、テロのリスクを高めるため、思想調査などの厳しい手続を難民の受け入れにはとるべきだとしている。
さらに、一般的な法や秩序についての態度について見てみる。
☆捜査機関は犯罪者にもっと厳しく対応できるようにすべき
アメリカへのテロ攻撃を防ぐためにも、犯罪捜査や容疑者の特定には、プロファイリングなどの手法をもっと認めるべきである、としている。
☆銃規制
銃規制によって、逆に、昨今の銃乱射事件が起きていると主張。銃をみんながもっと持てば、銃乱射の現場で犯人に反撃して、人命を救えたはずだ、としている。
さらに、最近成立した、パリ協定については以下のような立場をとっている。
☆パリ協定はキャンセルすべきだ
経済的に負荷の高い環境規制については反対する、と述べている。
人間活動による気候変動はまやかしだと言い、気候変動問題に対する国際的な取り組みである「パリ協定」などについては、キャンセルする、と表明している。
やっぱり過激だわね。
これ見た限りでは、冗談でしょ!!!というものばかりだわ。
そうなんだよね。
トランプ氏は、オバマ大統領がやったことを、全てひっくり返そうとしている、と言われている。
中途半端なオバマケアという健康保険も、廃止させたいらしいし、歴史的と言われた、キューバとの国交回復もなしにしたいようなんだ。
来年から、どうなっていくのか、とっても気になるところだよね。
そうね、新しいことがわかったらまた教えてね。
オーケー。