こんにちは。
こんにちは。
今日はどんなお話かな?
今日は、G20が、中国で開催された
というお話だよ。
合わせて、中国の海洋進出について
お話しようと思うんだ。
G20って何?
G7、つまり先進7カ国に新興国を
加えた20カ国の集まりを言うんだ。
このG20の会議が、先日中国の杭州で
開かれたんだ。
20カ国とは、
アメリカ合衆国、イギリス、フランス
ドイツ、日本、イタリア、カナダ
欧州連合、ロシア、中華人民共和国
インド、ブラジル、メキシコ、
南アフリカ、オーストラリア、韓国
インドネシア、サウジアラビア
トルコ、アルゼンチン
だよ。
あと、招待された国が何カ国かあった。
スペイン、フィリピン、セネガル、ラオス、チャド、エジプト、カザフスタンなどだよ。
中国の杭州で開かれたということは
中国が中心になったのかな?
そうだね。
今回は中国が議長国ということになった。
G20では、何が話し合われたの?
G20は、首脳会議と財務大臣・中央銀行総裁会議の2つがあるんだよ。
基本的に、首脳会議では、世界の政治経済の懸案事項、財務大臣・中央銀行総裁会議では、世界経済について話し合うことになっている。
それで、今回は、テロやイギリスのEU離脱などで、停滞が予想される世界経済に対して、G20各国がどのような協力をしていくのか、が主に話し合われたよ。
例えば、通貨の切り下げ競争など、為替レートへの過度の介入や無秩序な動きは控えて、為替安定のために努力すること、構造改革やイノベーションやデジタル経済などの青写真計画も示された。
また、金融面では、国際課税とか、国際的な金融秩序の維持のための各国の協力が確認されたよ。さらに、国際的な政治腐敗に対する対策や法の支配の徹底なども確認された。そして、エネルギーに関して、より持続的なエネルギーやクリーンエネルギーについて、各国で協力していくことも確認された。
その他、国際的な投資についてや、開発、テロ対策などの国際的な問題に対する協調についても話し合われたよ。
いろいろ話をしているみたいだけど、中国の南シナ海の人工島埋め立ての問題なんかは、話し合われなかったの?
日本やアメリカが議題にしようとしたんだけど中国がうまくかわしてしまったようだね。
その後に開かれたアセアンの地域フォーラムでも、結局中国の行動については名指しで非難することはできなかったしね。
そうすると、中国の南シナ海の活動は、野放しで、どんどん既成事実化されちゃうんじゃないの?
その可能性が強くなってきたね。
アメリカも結局、オバマ大統領はあと数ヶ月で任期切れだから何にもできないし、まして、中国と武力衝突するようなことは回避するだろう。
中国は、南沙諸島の実効支配を強めることになるね。
国際仲裁裁判所の判決も完全無視だしね。
フィリピンの大統領が、とんでもない暴言を吐いて、対中国で協力しなきゃならないのに、アメリカとフィリピンの首脳会談がキャンセルになってしまったって聞いたわ。
そうだね、フィリピンのドゥテルテ大統領が、フィリピン国内の麻薬の密売人たちを、2千人以上も殺害していることについて、アメリカから文句を言われたくない、ということで、暴言を吐いたらしいよね。
でも、このドゥテルテ大統領は、かなり中国共産党とつながっているという噂がある人だからね、それだけの理由かわからないね。
中国の南シナ海進出については、何度も、テッドに教わっているけれど、もう一度、簡単に教えてくれない?
いいよ。
まず、この地図をみてね。
赤い破線が、9個あるよね?これは、「九段線」とか「U字線」、「牛舌線」、または、「中国の赤い舌」とも言われる線だよ。1953年から、南シナ海における中国の領有権を主張するために引いた線なんだ。
なんだか、中国という怪物から下にだらりと垂れた舌のようにも見えるよね。
この中に、西沙諸島や南沙諸島が入っているんだ。
まず、西沙諸島の領有権問題ね。
1954年のインドシナ戦争終結よりも前は、ベトナムがフランスの植民地だったので、中国は手が出せなかったんだ。しかし、インドシナ戦争終結後、フランスがベトナムから撤退した後すぐに、中国の進出が始まったんだよ。
そして、アメリカとのベトナム戦争の最中の1974年に、中国軍が侵攻し、ベトナム軍を追い出して、現在のような実効支配を続けている状態になってしまったんだ。
現在、ベトナムや台湾が領有権を主張しているけど、中国は全く認めていない。
次は、南沙諸島ね。
南沙諸島もベトナムを植民地として持っていたフランスがほぼ支配していたんだけど、戦前日本も一時期資源採掘や漁業などの目的で、支配していたこともあったんだよ。
でも、インドシナ戦争後にフランスが撤退した後は、ベトナム、台湾やフィリピンなどが領有権を主張して、1974年頃からベトナムの領有権に抗議する形で、中国が領有権を主張し始めたんだよ。これをきっかけとしてベトナムと中国の間に軍事衝突も起きたんだよ。
その後、マレーシアが南沙諸島の一部を実効支配したり、ブルネイが領有権主張したりしているんだよ。
そして、今回の事件につながる発端は2013年頃からあるんだ。
まずはじめに、中国がサンゴ礁を埋め立てていると発表したのは、フィリピンなんだ。
2012年には何もなかったみたいなんだけど、2013年の時点で、建物ができ始めて、2014年に入って、大量の土砂が運び込まれて、中国がジョンソン南礁(赤瓜礁)を完全に埋め立ててしまったことが判ったんだよ。
これに関して、フィリピンは中国がフィリピンの領海内で、国際法上違法な行為をしていると非難の声明を出したんだけど、中国は、ジョンソン南礁を始めとするスプラトリー諸島(中国名南沙諸島)は、中国の領土であり、埋め立て工事は中国の主権の範囲内の行為である、として、全く意に介さなかったんだよ。
また、ジョンソン南礁は、満潮時には海面下に沈んでしまって、そもそも領土ではないって、ベトナムなどからも指摘されていたんだ。
それは、国際法的にはどうなの?
それは、1994年の国連海洋法条約で認められた、200海里の排他的経済水域を中国が犯しているということで、先ごろ、国際仲裁裁判所から、中国の主張には一切法的根拠はない、という判決が出たよね。
中国は、そんなの全く認められない、とか言ってたわね。
中国はね、1992年に中国は「中華人民共和国領海および毘連(びれん)区法」という法律を作って、「南沙諸島」や「西沙諸島」などを中国の領土と定めて、「領海12カイリ内に外国船舶が入る時は、中国当局の許可を必要とする」というような、国際法に反することを勝手に定めてるんだ。
中国は、国際法上の「領海」や「無害通航権」というような概念を無視して、勝手に大騒ぎをしているんだよ。
去年も言ったけど、「オマエのモノはオレのもの、オレのものもオレのもの」ていう感じで、まるでジャイアンなんだよね。
困ったわね。
そしてね、中沙諸島沖に、また掘削船だとかを派遣して、また人工島を作る気らしいよ。
フィリピンもだめだし、他のアセアンの国もだめだし、アメリカもダメなら、もう打つ手はないね。
このまま諦めるしかないのかな?
今回、日中首脳会談で、安倍首相は、中国の習近平主席に、南沙諸島の問題や尖閣諸島の問題について、危惧を表明したらしいけど、全然効果はなかったみたいだしね。
尖閣諸島も、これから、新たな段階に移行して、ほんとに深刻な事態になるんじゃないかと、恐れているよ。
尖閣も危ないのかあ。
また、事態の成り行きを見守っていこう。
そうだね。