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2016年の重要時事問題(1)〜日銀がマイナス金利を導入しました
こんにちは、ブー子です。
こんにちは、テッドです。
テッド、今日はどんなお話?
今日から、2016年の重要な時事問題についてもう一度おさらいしようと思うんだ。
今日はその第1回目で、「日銀がマイナス金利を導入」したことについて復習だよ。
「マイナス金利」!!!
金利ってプラスのものじゃないの?
1.これまでの日銀の金融政策
金利って普通プラス何%とかで、日銀も「ゼロ金利」政策っていうのをやってきたよね?
そうね、「ゼロ金利」政策っていうのは、聞いたことがあるわ。
日銀の政策金利を事実上ゼロパーセントにするっていうことよね。
そうだね。政策金利を金融政策としては主眼とせず、黒田総裁以降の日銀の金融政策の中心は、マネタリーベースを増加させることになったんだ。
そうそう、マネタリーベースっていうのを増やすのよね?
マネタリーベースって何だっけ?
マネタリーベースっていうのはね、まず、現金通貨、つまり、お札とコインね、と、日銀が、市中銀行に預金準備金(銀行にお金をおろしに来る人達のために準備しておかなければならないお金)として、強制的に日銀の金庫に預金させるお金(日銀当座預金)の合計を言うんだよ。
マネタリーベースが増えれば、理論的にはマネーストック(簡単に言うと世の中に出回っているお金の全体)も増えるはずなんだ。
日銀は、このマネタリーベースを増やすことに腐心してきたんだ。
どのくらい増えたの?
安倍内閣が始まった2012年末には138兆円だったんだけど、2015年末には、403.9兆円になったんだ。
アベノミクスが始まってから、日銀が発行したお金は、3年半で、約3倍になったんだよ。
え〜!!!日銀が発行したお金が、3倍になったの?
でも、ぜんぜん景気は良くなった感じはないし、給料も全然増えてないわよ!
どういうことなの?
2.景気回復が実感できないわけ
そうだよね!
政府が言うにはね、雇用は改善しているし、景気は上向いてるんだ、って言っているんだけどね。
株は、2014年に一時は、2万1千円ぐらいになったんだよね。現在は1万8千円くらいだね。
実はね、日銀が約3倍にマネタリーベースを増やしているんだけど、マネタリーベースのうち292.8兆円は、市中銀行の金庫には入りきらないお金で日銀の金庫に市中銀行が預かってもらっているそうだよ。実際、世の中に出回っているお金であるマネーストックは1267兆円程度なんだけどアベノミクスが始まる前の2012年12月のマネーストック1112兆円から、約14%しか増えていないので、我々庶民のところに全くお金が回ってこないんだよ。
それでね、世の中に出回っているお金で増えた分は、銀行や企業やお金持ちが、株や国債なんかを買って資産をべらぼうに増やしているんだ。
大企業が賃上げの動きを見せてはいるけど、社会全体の風潮にはなっていないんだ。だから、社会の隅々まではお金が行き渡っていないんだよ。
だけど、このごろは、景気のいい話はあんまり聞かなし、お金持ちもお金まわりが悪くなってきているみたいだし、中国も景気が悪いから、インバウンドもあまりあてに出来ないしね。
そうなると、ますますお金まわりが悪くなりそうよね。
そう、その通り。
今年の1月の下旬に、アメリカのFRBの政策決定会合である連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気が減速しているから、利上げはしない、という発表をした、その直後の今年の2月16日に、「マイナス金利」の導入を日銀が決定したんだ。
そうね、話が戻ってきたところで、もう一度訊くわね、今回の「マイナス金利」ってどんなもの?
3.「マイナス金利」とは?
マイナス金利っていうのはね、日銀に市中銀行がお金を預けると、普通は、市中銀行が利息を払ってもらえるんだけど、利息または手数料を逆に払う、ってことになるんだよ。
今回は、マイナス0.1%なので、10億円預けると100万円の利息または手数料を市中銀行が払うってことになるね。
ただし、2016年の2月に預け入れる分から、マイナス金利が適用されるようになったんだ。それ以前に預けた分には、きちんとプラス金利で、利息が市中銀行に払われているんだよ。
日銀は、どんなことを狙って、今回、マイナス金利を導入したのかしら?
まず第1にね、日銀にお金を預けると、市中銀行はお金をとられるんだから、日銀にお金を預けないで、会社や個人にお金をもっと貸すようになることを狙っている。
そうすれば、もっと世の中にお金が出まわるようになるってことだね。そうして、景気が良くなっていくということだね。これを狙っていることは間違いないね。
そうか〜!
会社や個人がお金を借りてくれればいいわよね。
そうだね、まず、会社、つまり企業だけど、企業がまとまったお金を借りる時っていうのは、大体、新たに設備投資を始めるときなんだよね。
それでね、僅かではあるけど設備投資は増えている傾向にあるんだって。
マイナス金利になると、銀行の貸出金利は普通下がるんだ。企業もお金を借りやすくなるってことだね。
また、個人では、マンションや家を買う人が増えることが予想されているんだって。
マイナス金利を導入した後ね、日本の国債を買う人が増えたんだよ。その買い手のほとんどは日本の銀行だけどね。なぜって、お金を持っていると日銀に預けなくちゃならないでしょ?そうすれば、お金を払わなければならないから損するよね。だから、前よりも、国債を買って、手持ちのお金を減らそうとしているんだよ。
国債を買う人が増えるとね、これはギリシャ債務危機のところでも説明したけど、国債の利息は安くなるんだよ。
そうするとね、国債の利息を基準に決められている銀行なんかの貸出の長期金利も下がるんだよね。
だからね、個人の人もお金が借りやすくなって、マンションや一軒家のローンが組みやすくなるんだよね。
こういうわけで、マンションや家の需要も高まるっていうふうに予測されているんだ。
じゃあ、これから景気が良くなっていくのかしら?
政府やエコノミストは、そのように希望的観測も含めて予測しているよ。
でも、マイナス金利には、リスクもあるんだよ。
え〜!!!
どんなリスク???
4.マイナス金利のリスク
(1).量的緩和に影響
第1にね、銀行が手持ちのお金を減らすために国債を買い始めたって言ったでしょ?
日銀が量的緩和で、毎年80兆円も、お金を新たに刷ってるんだけど、その財源は何だと思う?
え〜、わかんない・・・、それは何?
それは、日銀が市中銀行から買ってる国債だよ。
財政法5条で、日銀は政府の発行する国債を直接買うことを禁止されているから、 市中銀行が買った国債を日銀が買い入れて、その分をあらたにお金を刷って供給しているんだよ。
そこで、マイナス金利が導入されて、銀行が持ってるお金を日銀に預けると利息または手数料をとられるでしょ?
そうなると、現金を持ってると損だから、国債を売ってくれる市中銀行が少なくなり、日銀の国債の買いオペーレーションがうまくいかなくなって、そもそも、量的緩和がうまくいかなくなっちゃう可能性があるんだ。
そうなったら、お金を増やせなくなって、金融引き締めと同じ結果になっちゃうのかな?
そう、そうなんだよ。
でも、リスクは、まだまだあるんだ。
(2).円高懸念
他にはね、それは円高なんだ。
今は、円安になってるわね?
そうだね。
今は、トランプ大統領の経済政策に期待が集まっているでしょ?
それで、ドル高になっていて、相対的に円安になっているんだよ。
だけど、トランプ氏の経済政策が失望をもたらすと、世界中の投資家たちはみんなリスクを覚悟して株に投資するより、円を持っていたほうが今のところは安心だって思うかもしれない。
今年中にアメリカのFRBは利上げする公算が高いけれども、もしかするとトランプ政策が失敗すれば、FRBはまた利下げに転じるかもしれない。
そうなったら、みんな円を買ってしまって、日本は株安になってしまうかもしれない。
そうなったら、マイナス金利を導入したのに、全然効果がなくて、景気回復も、デフレ脱却も無理かもしれない?
そういうこと。
アベノミクスは、失敗に終わるっていうオチまでツイてる。
その後、日本経済も世界経済も、とんでもなく恐ろしい末路が待っているかもしれない。
テッド、縁起でもないこと言わないでよ!!!
もうひとつね、不気味な情報をある筋から得ているんだよ。
えっ!!!不気味な情報???
5.不気味な情報
それはね、国際決済銀行(BIS)が、世界中の銀行の決済取引の基準や、決済取引できる銀行の資格なんかを定めているんだけど、その基準を決める会議(バーゼル銀行監督委員会)でね、近々、銀行の保有するリスク資産の中に、国債を含めるっていう新しい基準(バーゼル3のソブリン債(国債など)の組み入れ)がいよいよ決まるっていう噂があるんだって!
バーゼル銀行監督委員会はね、G20の中央銀行がそのメンバーになっていて、日本やアメリカもそのメンバーになっているんだけど、ヨーロッパの銀行を中心に、日本やアメリカは反対しているけれども、その基準を採択する機運が高まっているんだって!!!
てゆうことは、もし、この基準が導入された場合、日本の市中銀行は、リスク性の資産とされる国債の保有を尻込みしてしまって、国債を買わなくなってしまう。
国債を市中で消化できなければ、ただでさえ、累積1000兆円もの国債がある日本政府は、その金利が上昇し、利息が払えなくなって、政府が破産することになってしまうよ。
それは、やば〜い!!!!
そうなったらめっちゃ怖〜い!!!
そうならないことを祈るのみだね。
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