5th Global Forum Vienna 2013 / Minoritenplatz8

韓国出身の潘基文(パンギムン)国連事務総長が、母国を訪問した際、日本の対中、対韓外交について、日本政府のあり方を批判したとも取れる発言をした模様です。 以下、8月26日の聯合ニュースの引用です。

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 歴史認識問題をめぐる韓国、日本、中国の対立については「歴史認識問題やその他の政治的理由により緊張関係が続いていることを遺憾に思う」と述べた。これらの問題は政治指導者らが虚心坦懐(たんかい)に、正しい認識に基づいて未来志向的に解決していかなければならないと強調した。  

 日本の平和憲法改正の動きに対する国連の立場を問う質問には「今後、歴史をどのように認識し、正しい歴史が未来志向的な国家関係をどのように維持できるか、こうしたことに対する日本の政治指導者らの深い省察と国際的な未来のビジョンが必要だ」と答えた。

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 要するに、日中、日韓関係が悪くなっているのは、日本の歴史認識に問題があり、現政権はこの認識を欠き、徒に右傾化して平和憲法を改正しようとしていてけしからん、と言っているように聞こえます。

 これには、日本政府も、菅官房長官や外務省幹部を始めとして、不快感を表明しています。そもそも、国連事務総長には、国連憲章で定められた、「中立義務」というものがあります。国連憲章第100条は以下の通りです。

 

国連憲章第100条

1 事務総長及び職員は、その任務の遂行に当つて、いかなる政府からも又はこの機構外のいかなる他の当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。

2 各国際連合加盟国は、事務総長及び職員の責任のもつぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当つてこれらの者を左右しようとしないことを約束する。

 この中で、第100条の1の、「事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。」という部分に、今回の潘基文事務総長の発言は違反している可能性があるという専門家もいます。また、安倍政権の右傾化は私も危惧しているところですが、国連事務総長がこのような発言をすること自体が非常に異例なことですし、どう解釈しても、やはり韓国寄りと批判されてもやむを得ないと思います。  

 この潘基文さんですが、韓国の外交官出身で、事務総長になってからの評判があまり良くありません。一番よくないのは、やはり政治的に偏っている、と批判されることが多いようです。また、国連事務局内での評判も良くなく、3年程前、事務総長の片腕の事務次長が潘基文事務総長を批判する報告書を書いて辞任しています。ご存知の通り、事務総長の任期は5年で2期やるのが通常で、潘基文さんは、2007年に就任して2期目に入ったばかりですから、あと3年以上はこの人が国連事務総長なわけです。

 おまけに、日本は、国連の活動費を支える分担金を全体の10%以上も払っているにもかかわらず、日本の立場や国益が国連の場で十分に理解されていないという批判もあり、国連分担金を払うことに疑問が起きていることも事実です。

 現在までのところ、この発言に対する日本以外の各国の反応は報道されていません。「TIME」や「NEWSWEEK」に記事が載るかもしれませんし、またイギリスあたりのFinancial Timesなんかが記事を書くかもしれないので、記事を見つけたらまたお知らせします。

  続報:

 オランダのハーグで、日本の外務関係者と潘基文事務総長が会談し、正しい歴史認識は、日本の指導者のみならず、中国、韓国の政治指導者にも同様に求められるもので、自分の発言は、中立的なものだ、日本の国際平和に対する貢献については十分承知している、と発言の真意を語ったということです。さすが、「油うなぎ」の異名をとる事務総長、うまく言い逃れましたね。


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