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2014年末の衆議院議員選挙に最高裁が違憲状態判決を出しました
こんにちは、ブー子です。
こんにちは、テッドです。ブー子、去年の衆議院議員選挙の一票の格差について、最高裁が違憲状態と判決したんだよ。
去年の解散総選挙のことよね?違憲状態っていうのはどんな意味なんだろう?
それは、「違憲の疑いがあるが違憲とは断定できない」状態のことだそうだよ。
なんだか屁理屈みたいに聞こえちゃうわね。
ちょっと前まではね、事情判決って言って、違憲だけど選挙は無効としないっていう判決を出していたんだよ。
違憲だけど、無効じゃない?
それは、ますます屁理屈っぽいわ!
そうだね、屁理屈っぽいよね。
でも、選挙を無効としてしまうと、この選挙で当選した国会議員の身分も無効になってしまい、すでに議員が活動して国会で行った議決も全て無効、議決で成立した法律も全て無効になってしまって、国政が大混乱を起こすんだよ。
だからね、行政事件訴訟法っていう法律の31条で使っている理屈を援用して、選挙の場合も無効にしない、という理屈を考えだしたんだよ。
でも、「違憲」って言い切ってしまわなければ、そういう問題は生じないので、「違憲状態」っていう判決を考えだしたんだ。
まあね、そういう苦労は解るわ。
ところで、参議院議員選挙の去年の最高裁の判決も「違憲状態」っていう判決だったわよね?
ブー子、よく覚えているね!
そうなんだ、参議院議員選挙でも1対5を割った、1対4.77で、「違憲状態」判決が出たんだよ。
なるほど、じゃあ、衆議院議員選挙の違憲判決について詳しく教えて?
1.小選挙区制になってからの衆議院議員選挙の一票の格差の基準
まず、小選挙区制が導入されてから、最高裁の違憲状態判断の基準として1:2を超えれば違憲状態という基準になったよ。
そもそも、1:2以上になっちゃったら、ひとり2票持っているのと同じになっちゃうからね!
違憲状態判決ってどんな効果があるの?
違憲状態を是正するための立法措置を国会に勧告する効果があるよ。
でもさあ、国会が法律を作る権限を持ってるんだから、法律作るかは、国会の勝手じゃないの?
そうだね、そういうの立法裁量っていうんだ。
でも、最高裁が違憲状態だって言ってるのに、法律をちゃんと作らないのは、違憲な状態を改善しませんっていう意思表示をしているのと同じになって、立法裁量はなくなると考えられている。
そういうのを「立法不作為」と言って、最高裁も、そういう場合は、違憲になると言ってる。
ふうん。
ところでさあ、最高裁が衆議院議員選挙について、ずいぶんと厳しくなってきたような気がするんだけど、気のせいかな?
いや、実は、厳しくなったね。以前は1対3とかでも合憲だったことがあったんだよ。
なんで厳しくなったのかしらね?
それは、小選挙区制になって「1人別枠制」が導入されたからだと言われているよ。
「1人別枠制」って何?
2.「1人別枠制」とは?
それはね、衆議院の小選挙区で47都道府県すべてにまず1つの選挙区をつくり、残りいくつの選挙区を作るかは、人口に比例して各都道府県に配分していく制度なんだ。
これによって、人口の少ない自治体も最低2区が割り当てられ、一票の価値の不平等が発生したんだ。
それで、あんまり人がいない田舎にも2人とかが割り当てられて、定数の調整が難しくなってしまったってこと?
そういうこと。
最高裁も、その点を指摘して是正を勧告している。
それで、国会は、何か対策をしていないの?
2012年の政権交代の時の衆議院議員選挙には間に合わなかったけど、その後、「0増5減」案というのが、成立したよ。
「0増5減」案?
何それ?
3.「0増5減」案とは?
2012年の当時政権与党だった民主党と当面0増5減(300の小選挙区について5区減らして295区とする)で最大格差を2倍以下に抑えるという自民党との話し合いで、0増5減には合意したんだけど、削減する5つの選挙区をどこにするかで合意できず、違憲状態のままでの選挙となったんだ。
それで、どうなったの?
この違憲状態のまま行われた選挙について、裁判になった。
それで、この政権交代した2012年の衆議院議員選挙についてはね、最高裁は2013年11月に判決を下したんだ。
どんな判決?
4.2013年11月の最高裁判決
民主党が政権をとった2009年の選挙についての2011年判決と同じ、「違憲状態」判決。
どうして、何度も同じ、違憲状態判決なの?
さっき言ったみたいに、もう「立法不作為」で違憲じゃないの?
そう思うよね。
でもね、この違憲状態判決が出る前にね、さっき言った、「0増5減」する選挙区が決まって、改正公職選挙法が成立したんだよ。
つまり、福井、徳島、高知、佐賀、山梨の5県の小選挙区の定数は3から2になり0増5減が実現したんだ。最高裁はこれを評価して、「格差是正が行われなかったとはいえず、憲法違反とはいえない」と判断したんだよ。
へえ〜!
それで、一票の格差は、どのくらいになった?
1.99倍
お〜!ギリギリセーフね!
5.2015年11月判決の内容
ところがね、その後の人口移動なんかで、2.13倍になっちゃって、また、今回裁判になって、最高裁が違憲状態判決を出したってわけだよ。
そういうことだったのかあ〜!
じゃあ、また国会が何か対策しなきゃね!
そうだね、投票価値の平等は、民主主義にとってとても大事だからね、しっかりやってほしいね。
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