こんにちは、ブー子です。
こんにちは、テッドです。
ブー子、今日は、FRBがついに利上げしたっていうお話しだよ。
FRB?利上げ?何それ~?
FRBっていうのは、
アメリカ連邦制度理事会と言ってアメリカの中央銀行のことだよ。
そこのFOMC、つまり、連邦準備制度理事会の公開市場委員会が、利上げを決めたということだよ。10年ぶりのことだって。
つまりね、
アメリカの中央銀行が、ついに事実上ゼロ金利政策を止めて利子率を引き上げたっていう話なんだよ。
利子率を引き上げたっていうことはつまりどういうことなの?
1.利上げの一般的効果
利子が高くなるってことは、貯金する人が多くなるということだよ。だから、アメリカの銀行に貯金しようという人が増えるってことになる。
アメリカに貯金する人が増えるとどうなるの?
相対的に言うと、海外、特に、BRICSなどの新興国の通貨よりも、アメリカのドルに投資した方が、利子が高いので儲かるので、新興国から、アメリカにお金が逃げていってしまうことになりそうだ。
そうすると、新興国のお金が足りなくなっちゃうかも知れない?
そうだね、そうすると、新興国の経済にお金が足りなくなってしまうので、世界的に景気が悪くなっちゃうかもしれない。
なるほど、じゃあ、為替レートはどうなるの?
為替レートは、ドル高になるよ。ということは、それ以外の通貨、円やユーロ、新興国の通貨は、安くなるよ。
ドル高になるとどうなる?
日本やEU、新興国は、為替レートが安くなるので、輸出しやすくなる。
しかし、輸入価格は高くなるので、原材料や燃料の値段が上がって、コスト高になるね。
一般的なことはわかったわ。
じゃあ、まず、今回、どうして、利上げすることにしたの?
2.政策金利引き上げの背景とその効果
今回は、政策金利を0.25%引き上げる決定をしたのだけれど、その背景を一言で言うと、アメリカ経済が好調で景気がよく、利上げを今しないと、景気がもっと加熱して、さらに大幅に利上げをしなければならないから、だって。
中央銀行が、利子率を引き上げると、どんな効果があるんだっけ?
まず、中央銀行の利子率に連動して、市中銀行の利子率も引き上げになる。
そうすると、お金を預ける人の金利も、お金を借りる人の金利も、上がる。
そうすると、お金を持っている人は、ますます銀行に預けることになる。
そして、お金を借りたい人は、金利が上がるので、借りにくくなる。
だから国内全体でみると、流通するお金の量、つまり、通貨量は減ることになるよ。
それで物価は、どうなるの?
通貨量が減るので、物価は上昇しにくくなる。それで、景気が安定するんだ。
でも、世界中からアメリカにお金が集まってくるのよね?
そういうお金はどうなるの?
たぶん、株や不動産、債権などに投資されて、バブルっぽくなるかもしれない。
そうなったら、ますます政策金利を上げなきゃならなくなるわ。
そうなったら、さらに世界中からお金が集まってくるね。
ということは、新興国などからは、ますますお金が逃げてしまうわね。
3.世界経済への影響
そうだね。それで、心配なのは、世界経済なんだ。
世界経済は悪くなるの?
今、中国の経済の失速が著しいんだよ。
原因のひとつは、中国に投資が集まらないことにもあるんだよ。
今でさえ、投資が集まらないのに、これで、アメリカに資金が逃げていってしまえば、中国経済も本当に不景気になってしまう。
他の国はどうなの?
他のBIRICS諸国もあまり景気はよくないみたいだよ。
だから、資本逃避(キャピタルフライト)が起きると、非常に困った事態になりそうだよ。
昔、タイの通貨とかが、すごく下がっちゃったことあったわよね?
1997年のアジア通貨危機ね。
あれも、タイに投資していたヘッジファンドが、一斉に資金を引き上げたことが原因だったよね。
バーツ危機から始まって、韓国のウォンが暴落したりして、アジア全体の通貨が暴落したんだよね。
あの時は、IMFと日本がアジアの通貨を買い支えて、なんとか持ちこたえたんだよ。
今回もそういうことになってしまうかもしれない?
専門家は、それを恐れているよ。
怖いわね〜!
日本はどうなっちゃうの?
4.日本経済への影響
まず、日銀は金融緩和は止められないから、ドル高、円安の傾向は、変わらない。
恐れているのは、極端な円安だよ。
極端に円安になってしまうと、天然ガスや石油の値段が上がってしまって、産業にも、また電気料金にも悪影響がでるよ。
そして、輸入品の物価が高くなって、個人消費も冷え込んでしまって景気は悪くなるだろうね。
それじゃあ、せっかくアベノミクスで、景気を刺激したのに、何にもならないじゃないの?
そうだね、日銀の異次元緩和と合わさって、制御出来ない物価高になってしまうかもしれない。
つまり、景気が悪いのに物価が上昇してしまう、スタグフレーションになってしまうかもしれない。
ついでに、いままでアベノミクスで生じたミニバブルで、大企業の内部留保も増えているんだけど、
それが、賃金に払われるのではなくて、アメリカに投資されてしまうかもしれない。
そうなると、賃金上昇も見込めず、実質賃金の低下につながってしまう。
そうなれば、ここでも、個人消費が冷え込んで、景気は悪くなってしまうかも。
そうなると、税収も増えなくて、ますます財政赤字も増えてしまうかもしれないわね。
その可能性もあるよ。
現在、日銀は、異次元緩和として、年額80兆円も国債を市中銀行から買っているんだ。そうすると、その額をますます増やさないといけなくなるかも知れない。
そうすると日銀の買いオペレーションが、政府の財政赤字を肩代わりする財政ファイナンスと市場に判断されるかもしれない。
そうなったら、どうなるの?
そうなると、国債はリスクが高いとして、市中銀行が買わなくなるかもしれない。
でも、日本の国債は、ほとんど国内で買われていて、人気がなくなるなんてことはあるのかな?
実は、気になる情報があるんだよ。
え〜、何?
国際決済銀行(BIS)の取引基準が、世界中の銀行の基準になっているだけど知ってる?
聞いたことあるわ。「BIS規制」とかいうやつでしょ?
バブル崩壊後に、国際取引できる銀行になるには、自己資本比率が8%ないとダメっていうことになって、日本の市中銀行が、不良債権処理が終わってなくて、この基準を満たさなかったので、政府が、税金から公的資金を注入したっていう話だったと思うわ。
ブー子、よく覚えてるね、そういうことあったよね!
そのくらい、国際決済銀行は、世界中の銀行に影響力を持っているんだ。
実は、その国際決済銀行の運営方針を決定する「バーゼル委員会」っていうところで、2019年から、もしかすると来年の3月から、「国債をリスク資産にする」という決定がなされることがほぼ確実だというんだよ。
もし、これが決定されると、いくら日本の市中銀行でも、国債を買うことを控えると言われている。
そうなると、国債の売れ残りが生じるかもしれない。そうなったら、国債の利子率を上げなければならなくなるんだ。
そうなるとね、国債の利子率はね、長期金利の利子率と連動してして、住宅ローンなんかの変動金利のものなどが、一気に上昇することになるんだよ。
そうなったら、住宅ローンの利息が払えない人達が続出して、リーマンショックの原因となったサブプライムローンの破綻と同じように、日本の住宅ローンの破綻も生じるかもしれないよ。
ヤダ〜!!!そんなの困るわ〜!!!
そして極めつけは、国債の金利が上昇すると、累積債務が1000兆円を超えている日本の財政赤字についての、利息が一気に上昇し、国債の借金を払いきれない利子率になり、日本政府が破綻、つまり、政府が破産するかもしれないんだ。
そうなったら、日本経済はメチャクチャになっちゃうじゃん!!!
この間のギリシャみたいになっちゃうかもしれない。
それは、ただの仮定の話よね?
そんなことが起きるなんて現実には想像できないわ!!!
まあ、考えられるシナリオのひとつだから、そんなに心配いらないとは思うけど、起きないとは断言できないんだよ。
そうなのか〜!!!
怖いわね〜!!!
でも、とりあえずは、事態を見守るしかないわね。
そうだね。
でも、住宅ローンは早めに返したほうがいいよ。